こんにちは、コトニです。
みなさんが持っているスマートウォッチをはじめとしたウェアラブル端末の中には、1日に自分がどのくらい疲労したのかを視覚的・数値的に知ることができる機能を有しているものがあります。
これを活用することで、日々の過剰なストレスから自分を守り、健康的な毎日を送るために有用なデータを簡単に蓄積することができるようになるんですね。
端末を製造しているメーカーが、データについてホームページ上でわかりやすく説明してくれていますが、その一方で、具体的な活用方法についてはまだ十分に浸透していない印象も感じています。
たくさんのライフログの中から、今回は体のストレスを知る上で有用なデータの一つであるHRVについて、ライフロガーなどのウェアラブル端末を用いて、データの解説と活用方法の提案をしたいと思います。
生活や就労のスタイルが多様化していることで、朝に起きて夜に眠るというリズムを維持することが難しい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事が、ストレス社会で頑張るみなさんの一助になれば幸いです!
ライフログの紹介
Heart Rate と HRVについて
〜 HRV(心拍変動)とは 〜
Heart Rate:心拍数
Variability:変動性
つまり、一定の時間の中で、心拍数がどの程度変動しているか、ということ。
もともと心臓の問題を評価するための指標として用いられてきましたが、近年は安静や興奮を司る自律神経活動の評価指標としても有効性が報告されています。
とてもざっくりと説明すると、ストレスなどがかかると人は交感神経が優位に働き、興奮状態になります。
心拍数は上がり、心臓の拍動と拍動との感覚が均一に近づいていきます。
安静時とストレス時の心拍数とHRVの図
心拍数は上がり、心臓の拍動と拍動との感覚が均一に近づいていく
©️Osaki Kotoni。
言葉のマジックなのか、素人目に考えれば、ストレスによって交感神経が優位に働いて心拍数が増加したら、その分拍動と拍動の間のバラ付きも増えるのかなと思いますが、実際はその逆なようです。
心拍数の増加に伴い、心臓はより一定のリズムで拍動しようとするんですね。
Body Batteryについて
Body BatteryはGarmin社独自の指標だと思います。
ホームページによれば下記のように説明されています。
Body Battery は、心拍変動(HRV)、ストレスレベルや睡眠の質、毎日の活動レベルなどを分析し、ユーザーの身体的エネルギーの個人的な蓄積量を正確に測定します。
Garmin ホームページ - ヘルスサイエンス - より
つまり、HRVだけではなく、その他のライフログも統合して、その人のエネルギーを数値化したもの、と言えると思います。
様々なグログでBody Batteryを自身の「HP」と例えている人がいますが、的を得ていて面白いですよね。
HRVと自律神経(交感神経や副交感神経のこと)に関してもっと知りたい方は、Garminのホームページにわかりやすく記載されていますので、そちらを読んでいただくと理解が深まると思います。
ストレスレベルなどにも触れてますから、大変良い情報になると思います。
Garmin ホームページ - ヘルスサイエンス –
https://www.garmin.co.jp/minisite/garmin-technology/health-science/
使用している機材の紹介
軽量なボディーに手に馴染む樹脂製の柔らかいタッチのバンド。
他のレビューにはバンドが付け根からちぎれやすく、耐久性に難ありというように書かれているところもあります。
私は入浴の時間を除いて半年ほぼ毎日装着し、つけ外しも頻回に行っています。
自転車ロードレースの練習の時は1日に100キロ以上走りますが、これまで不調に陥ったことは一度もありません。
ちなみに自転車に乗車中は、サイクルコンピューターが全ての情報(心拍数、ケイデンス、スピード、パワー)を記録してくれるので、日常の心拍数を図る程度であれば、vivosmart 4 で十分すぎる性能だと僕は思います。
ランニングやトライアスロンなどをされている方は、もう少し上位のスマートウォッチを選ぶ方もいらっしゃると思います。
みなさんこだわりを持って使用されておりますので、人それぞれのライフスタイルにあった選び方をすると良いでしょう。
機材やアプリケーションの使用方法
vivosmart 4 はBluetooth® Smart と ANT+® に対応しています。
私は自分のiPhoneにGarmin connectというアプリケーションをインストールし、iPhoneとサイクルコンピューターならびにvivosmartを接続して使っています。
私が実践しているライフロガーとサイクルコンピューター、iPhoneとアプリの使用例
個人的には回線がシンプルな方がよく、この使用法補で困ったことがない
自転車の練習中は、練習が開始した時と終了した時にスイッチを押し、その間の情報が練習後にiPhoneへ送られます。
vivosmart 4 からはアプリを起動した時に自動的にiPhoneへデータが送信されています。
アプリを介してそれぞれの情報が統合され、最終的に1日のデータとして集計されます。
たまにエラーが出る時もありますが、あまり気にせずガンガン使っています。
活用例
日常生活におけるストレス値を知る
仕事や学校で自分が感じているストレスを知ることで、翌日の生活のしかたを調整したり、休日の過ごし方を考えることに役立ちます。
いつも無理をしてしまったり、大変な仕事をした時には1日の終わりにデータをチェックし、翌朝に疲労が回復している傾向にあるか確認してみると良いでしょう。
最近特にストレスの少なかった平日の記録。
通勤の時や会議の時には短時間だがストレスが増加していることが窺える。
上の絵はGarmin Connectの画面を抜き出したものです。
画面上では時系列的に心拍数、HRVなどによって評価されたストレス値、Body Batteryを見ることができます。
部分的に心拍数が増加することもあるようですが、通勤中や会議などの時間を除いては概ね「休息」している程度のストレスだということがわかると思います(こんな日が続けば良いのですが、、、)
時には疲労がなかなか回復せず、仕事が辛くなるような日があるかもしれません。
そんな時は、HRVを用いたストレス値を参考にして、休日にリラックスできるように1日のプランを考えても良いかもしれませんね。
トレーニングの強度と翌日の影響を知る
私は普段、趣味で自転車ロードレースへの出場を目指しながら、定期的に練習会に参加しています。
一人で自由に休める個人練習とは違い、集団で先頭を変わりながら走る練習会では、参加したメンバーのアスリートレベルによって自分にかかる強度が決まると思います。
練習会に参加するメンバーの多くは私よりも強い方ばかりであるため、主観的には普段よりもトレーニング強度が高くなる傾向にあります。
練習当日と練習の翌日のデータをお見せします。
練習会当日のデータ:
自転車ロードレースの練習会に参加した日の記録
ピリピリしているためか、練習開始前からストレス状態におかれ、Body Batteryがどんどん低下していることがわかる。
練習開始から1日の終わりまでストレス状態は続き、練習が終わった後もBody Batteryは低下し続けている。
練習後から1日中高いストレスかに置かれており、Body Batteryは明らかに低下しています。
言い換えれば、練習はサボらずにきっちりと追い込めた、ということができるかもしれませんね。
ちなみに、練習会の日は疲労のため一日心臓がドキドキしている感覚が続きます。
このような状況をライフロガーはしっかりと記録してくれていますね。
レースで上位に残ることが目標であるため、私のデータは極端な例になると思います。
第一に、オーバートレーニングにはくれぐれもお気をつけください。
みなさんにおいては、行ったエクササイズが普段の生活よりも心地よい疲労が感じる程度の運動負荷であったかどうかをチェックすることに役立つと思います。
練習会の翌日のデータ:
続いて、練習の翌日のデータをお見せします。
練習による疲労が翌日まで続いていることがよくわかるようなデータになっています。
練習会の翌日の記録
前日からストレス状態は継続しており、午前3時30分頃からようやく回復の傾向が見られている。
仕事中のほとんどは「休息」程度のストレスであり、Body Batteryは緩やかに改善しているが、100%になることはなかった。
練習の翌日のデータでは、朝のBody Batteryはほぼ「0」に近い状態になっています。
早朝からようやく回復してきましたが、1日を通して100%にまで回復することはありませんでした。
ちなみに、Body Batteryはいつも100%である必要はないと思います。
というのも、あまりにも100%に近い状態がつづいていたならば、かえって休み過ぎてしまっている可能性もあるからです。
練習後は体感的に少し体がだるい感覚が続いています。
ただ、これはいつものことで、疲労に慣れてしまっているのか、だるさを感じても仕事に支障をきたすことはありません。
みなさんの場合は、前日行った運動による疲労が体からちゃんと抜けているかをチェックし、無理しすぎないように運動の強度や時間を調整するのに役立てると良いと思います。
いつもと違う環境に置かれた時の体への影響を知る
出張や外部でのプレゼンなど、いつもと違うような環境に自分を置くような時にも、こういったデータのチェックが役に立つかもしれません。
以前のブログで書いたように、私は痔瘻の手術のために1週間程度入院をしました。
腰椎麻酔の副作用と手術を受けた場所の痛みから、なかなかベッドから起きることができず、終始横になっていました。
下の表を見ていただきたいと思います。
入院中の記録
1日の多くをベッドの上で横になって過ごしていたにもかかわらず食事や入浴の後には高めのストレス値が記録されている。
Body Batteryも低下していることがわかる。
体調不良や、精神的・肉体的なストレスを受けると、やはりストレス値は上昇していることがわかります。
心拍数の欄について、一番最初の「普段の生活のストレスの程度を知る」の図と比べてみてください。
面白いことに、心拍数はほとんど変わらないのに、ストレス値やBody Batteryには違いが見られていますよね。
このように、HRVを用いたストレス評価は、心拍数の増減だけでは見ることができないストレスを炙り出してくれていることがわかると思います。
体は休めていても、ストレスがかかるような状況に置かれれば、体は疲労を感じるのですね。
時計との併用について
私はライフログの端末をいつも右手に装着しているだけです。
定期的にiPhoneのアプリを起動させて、端末とスマートフォンを同期させる以外のことはほとんど行っていません。
このようにとても便利な端末なのですが、実際に使用しようと考えている方の中にはコーディネートも含めて悩む方もいるのではないでしょうか。
私はライフロガーを選ぶ時、使用方法について悩みました。
私は普段使いは圧倒的にアナログ時計派なのです。
これまで解説したように、HRVを用いたストレス評価は、ただその日を見れば良いというわけではなく、日々の記録の積み重ねからその人の平均的なストレス指標を見つけ、その平均と比較してその日のストレスがいかほどであったか知る必要があると思っています。
つまり、いつもつけたり外したりするよりも、何日かはある程度終日装着してデータを蓄積しなければ本来の機能を発揮することができないということなんです。
各メーカーそれぞれがデザイン性の高いライフログ機能つきのスマートウォッチを販売していますので、時計にこだわりがなく、ビジネスにおいても支障がない方は、大型のスマートウォッチを使用しても良いと思います。
悩んだ結果、私は
「左手にアナログ時計、右手に小さなライフロガー」
仕事も含めていつもこれで生活をしています。
ちなみに自転車の練習中はレースを除いて右手にvivosmart 4 としています。
レース当日はどう見ても超高強度になるため、翌日に疲労が残ることは目に見えていますし、疲れた時くらいはデータから自分を解放したいと思うことも多いんですよね。
一方でレースの前日だと、練習のしすぎでスタート前にBody Batteryがきれていないかチェックするのに役立つと思います。
最初に述べたように、単純にライフログを記録するだけならば、vivosmart 4 のようなシンプルな端末の方が普段使いの時計と相性が良いと思います!
両手腕時計のような感じはしますが、そのうち周囲には浸透するでしょうし、普段から高強度運動をしている私としては見た目もそうですが体調が悪くならないことが最優先だと考えています。
私がお勧めするライフロガー はこちらで紹介しています。
まとめ
- 日々のストレスチェックの一環としてライフログ端末の使用方法とデータの活用方法を、私の経験をもとに提案した
- ライフログの中には、心臓のドキドキ感(心拍数)だけではなくHRVのような心拍の変動を用いたものがストレスを評価するのに有用である
- 普段使用する時計にこだわりがなければ、大型のスマートウォッチで十分良いと思う。もしアナログ時計とのコーディネート面に関する相性が期になるようであれば、なるべくシンプルな端末が良いと思う
たくさんのライフログ端末が販売されていますが、他の端末は使用したことがなく、使用感などについては分かりません。
それだけ、この端末1つで事足りている、ということになると思います。
これまで大きな故障やトラブルなく使用できていますが、端末は非常に繊細な機材です。
大きな衝撃が加わる可能性がある場面では使用することを控えたり、着脱の際には無理にバンドを引っ張ったりしないように気を付けると良いと思います。
さらに、たしか樹脂製のバンドはアルコールに弱いと聞いたことがあります。
最近は手指消毒が励行されていますので、アルコールなどの薬品が長時間バンドに付着しないように注意すると良いと思います。
体調を簡単にチェックできるウェアラブル端末は本当に便利ですね。
せっかくですから、みなさんもこのようなデータをうまく使いこなして、体を大切にして過ごしてくださいね。
それではまたっ!