雑記

痔瘻手術を受ける 〜手術翌日から退院にかけて〜

手術を受けた翌日から、食事や入浴、術創部のケアなど意外と経験するものが多かったが、病院の方々のおかげで最小限度のストレスで退院することができたと思う。
心から感謝を申し上げたい。

入院中に私自身に生じた問題は、創部の痛みに加えて麻酔の副作用による頭痛と耳鳴り様の症状であったと思う。
手術を受ける前日まで私は、「術後から退院までの数日は特に何もすることがないからブログを書き放題だな」と考えていた。
しかし、この副作用が災いして、ほとんどブログは愚か体を起こして文字を読むのもしんどい状態が続いた。

今回の経験によって、痔瘻の根治術は早めに受けた方が良いと思った反面、人によっては腰椎麻酔の副作用が出ることも学ぶことができた。

今回の記事には手術の翌日から退院までの内容が書かれています

手術当日と同様にグロテスクな表現を避けたつもりですが、入院中の生活に関する内容が書かれております。この手の内容が苦手であったり、手術に対して不安が強くなるような方はお読みにならないことをお勧めします。

また、全ての医療機関が下記のようなスケジュールや方法で治療を進めているというわけではないこともご了承下さい。

あくまで私自身の体験記となりますので、ご自身の参考程度にお読みいただくとともに、病院では医師を始め医療従事者の指示のもと治療をお受け下さい。

手術翌日(術後1日目)

朝食から食事開始

寝る前に内服した睡眠導入剤のおかげで、夜間特に起きることもなく、起床時間よりも早めに起きることができた。
7時過ぎには食事の用意ができ、パンやサラダ、スープを食べた。
知り合いから手術の翌日は具合が悪くてなかなか甘いものは口に入らない、と聞いていたが、私にその心配は必要なかったようだ。
早食いの癖があるので、ゆっくり食べた。

ガーゼ交換

手術当日は看護師さんが交換してくれたが、術後は患者自身が行うことになっている。
創部からの染み出しによってガーゼが必ず汚れるので、1日3〜4回、自分の判断で交換する。
以前、痔瘻の切開排膿を受けた時にも同様の方法を指導されていたことから、こちらについては特に問題はなく、一度の説明で実行することができた。
今後痔瘻の手術で入院する方は、何かしらの方法で自分で創部をケアすることが求められると思うので、参考までに紹介する。


創部からの染み出しはしばらく続くため、ガーゼの交換作業は退院後も続くことになる。
たいした作業ではないので、すぐに慣れるはずである。
ちなみにガーゼの名前はどちらも「トラクリーゼ」というものだと思う。

術後の診察

術後の初回診察では、主に手術の様子の説明をしていただくことになっていた。

ただでさえ触られるのが怖いのに、またお尻見てもらうのかと思ったらなんだか不安になった。
しかし、診察は傷口を見るだけで、何かスプレーの様なものをお尻にかけていただき、数分もしないうちに終了となった。

手術中にある程度話を聞いていたためか説明はあっさりで、私自身も何を聞いて良いかあまり思いつかなかったため、医師からの話を聞いて診察室を後にした。

患者の私としては医師を信じるしかないので、個人的には話を聞く程度で良いと思っている。

夜には初めてお通じがでた

診察の不安もあったのか、朝は全く催さなかったのだが、夕食後にお通じの感じがした。
久しぶりの感覚だ。
ただ、肛門周囲が腫れているためかずっとヒリヒリした感覚があり、手前まで出てきてくれるも小指の爪ほどしか便は出なかった。

当然だが、とても痛い。
今回は純粋に肛門周囲がとにかくメラメラと痛い感じだ。

消して我慢ができない様な痛みではないのだが、用を足した後は、汗だくだった。
痛み止めを昼に内服してから6時間が経過したところであったため、いそいそと痛み止めを内服した。

ちなみに、痛み止めは手術当日は1回あたり2錠だったが、その後は1回あたり1錠飲む様に教わっていた。
内服薬の用法と用量は必ず遵守していただきたい。

術後2日目から退院日(術後6日目)にかけて

術後2日目

入浴開始:

術後2日目から、創部や手術の様式に特に特別な理由がないため、昼食後から予定通り入浴が開始となった。
久々のシャワーと入浴である。

入浴は、浴槽に自分でお湯を溜め、シャワーで体を流した後に浴槽に入り、使用した後は自分で簡単に水を流して掃除する決まりになっていた。

ちなみに、頭や体は石鹸を使用して良いが、創部は必ずお湯で流すだけにしてほしいということであった。

創部から出る滲出液は決して不要なものではなく、創部の治癒を効率に行い、感染の原因となる様な外部からの外敵から創部を守る働きもあるらしく、過剰な洗浄や消毒はこれらの働きを弱めてしまう可能性があるらしい。

このころから、少し目の裏あたりの重みと、耳に微かに響く様な感覚を覚え始めていた。

この様な若干の違和感に加え、入浴後の疲労か疲れてしまいしばらくベッドで横になっていた。

腰椎麻酔後の副作用:

ベッドで横になってから気がついたら15時になっていた。
何気なく、体を持ち上げ、ひとつ下の階へポカリスウェットを買いに行った時のことだ。

入浴中に感じた目の裏が重くなるような感覚と、強い耳鳴りが出現し、若干の吐き気と頭痛が出てきたのだ。
意識が遠のきそうな恐怖を感じたため、ポカリを急いで購入し、急ぎベッドに入り横になった。

不思議と横になると症状が軽快し、楽になった。しかし体を起こすとまた現れる。

しばらく寝ていたことによっていわゆる起立性低血圧かと思ったが、座った段階で脈は落ち着いており、違う様子だった。

術後、急に起きるとこの様なことが起こると看護師に言われていたことを思い出し、「やってしまったな」と思ったが、時すでに遅し、このブログを書いている退院時までひきずることになる副作用の出現であった。

その日はもう起きる気にはなれなれず、夕食も完食したが、気持ちの悪さは変わらなかった。

術後3日目

時間はできるも、副作用の影響でほとんど起きられず・・・:

抗生剤の点滴が終了し、午前の予定もだいぶ空きができてきたのだが、副作用のせいでなかなかベッドから起きることができず、ほとんど臥床状態で過ごした。

横になっている時間が長いほど、ある程度の時間体を起こしていられる様子であった。
その様なことなあるのかと思いながらも、明らかに体感できるものであったため、なるべく長い時間横になる様にしていた。
実際、その方が断然楽だった。

その日の診察の時、医師に相談したが「腰椎麻酔の副作用だよ、これは1週間くらい続くから、なるべく横になることと水分はしっかりとってね」と言われた。

大人しく、言われたことを守るのであった。

退院日が決まる:

診察の時、退院日を決めることになった。
手術日が金曜日であったため、退院日も金曜になるかと思っていたが、医師から木曜日でも良いということであった。
副作用が続くことだけが心配であったが、ひとまず木曜日に退院し、自宅で安静にすることを選んだ。

術後4日目

お風呂の時間が変更になる:

前日点滴が終了になったことから、以後は朝に入浴となった。
副作用の影響と眠気により朝は食欲も調子も悪く、食事の後に長めに横になってから入浴に行った。
立っているとのぼせたかの様な調子の悪さがでるため、入浴を足早に済ませた。

副作用と創部の痛みがピークを迎える:

そのままであるが、この日当たりが自分にとって辛かった様に感じる。
手術の翌日に感じていたヒリヒリ感はなくなり、代わりに痛みが局在化し、傷口に一点集中する様な表面の切り傷の様な痛みと、肛門の中に感じる様なギリギリとした痛みが続いた。

午後になればだいぶ安静時痛は治るのだが、トイレの時は地獄であった。
排便時は不随意に出現する肛門の締まりによって傷口が開く様な痛みが何度も出るし、ウォシュレットの痛みも相当強かった。

その一方で、ガーゼの染み出しは血液様から滲出液様の黄色いものに変わりつつあり、創部は確実によくなっているのかな、と感じた。

退院に向けてのお買い物:

この頃から、退院した後に必要なものが何か考え始めた。
そういえば、私の住んでいるアパートには、まさかのウォシュレットというものがついていないことを思い出した 笑

自宅と職場用の円座クッションも購入しなければ。

体を起こしていられなかったので、インターネットで探しては、ポチッとやっていた。

結局、自宅用と職場用のクッションと、携帯ウォシュレットを購入することにした。

術後5日目

副作用が少しずつ軽快してきた:

この日から副作用が少しずつ経過し、徐々にベッド上で体を起こすことができる様になってきた。

小さい字を見てもそこまで具合が悪くならなくなってきたので、調子に乗って体を起こしていたが、そうしているとまた副作用が出てきた。

何事も、慢心はいけないものだなと反省する。

医師に手術の詳細について聞いてみた:

この日の診察を担当してくれたのは、手術前の診察の時から色々とお話を聞いてくださった先生だった。
なので、手術の詳細について聞いてみたところ、とてもわかりやすく教えてくれた。

医師からの説明を私なりに手書きで書いた図
汚い字でごめんなさい 汗

手術では痔瘻の管をくりぬき、肛門の中の方だけ縫ってあるとのこと。
つまり、外側の傷口は開いたままになっていて、そこから滲出液が出ているのだということだった。
なるほど、ウォシュレットが痛いわけだ。
ちなみに、今回は比較的浅いところをくり抜いていることから、肛門括約筋への侵襲は最低限度とのことだった。

痔瘻の原因になる大元は取り除いていることから同じ場所の再発の危険性は低いが、下痢などが続くと別の場所に新たに痔瘻が発生することがあるとのことであった。

本来なら、肛門の中の方から外に向けて徐々に肉芽という組織が形成されて穴を塞いでくれるのだが、まれに肛門の外側が先にくっついてしまうことがあるらしく、その場合はまた外側を開いて上げる必要が出るらしい。

たのむから、そのような事態にならないことを祈る 汗

術後6日目

病院の前にあった桜。
4月に入ったばかりだというのに、もうだいぶ散ってしまっていた。

無事に退院!:

朝9時には医師の診察を受けることになっていた。
朝風呂に入って良いとのことであったため、診察の前に入浴を済ませてからベッドの上で休憩。
診察では次回以降の外来を受診する日について指示をいただいた。

お会計を済ませてようやく部屋着から外着へ着替える。
外着は入院時に着てきたものだ。

思えば不安な気持ちで入院してから、あっという間の手術入院であった。
安堵した気持ちと、感謝の気持ちで何だか不思議な感覚であった。

会計を済ませ、職場に提出する診断書の作成依頼をし、病院の方々にご挨拶をして病院を後にした。

ここ数日で気温も随分と上がり、着てきた上着を片付けながら家路に向かった。

今後の予定について

外来に通院しての診察

今後は1週間に1回程度の診察を受けながら、傷口が悪くなっていないか確認するとのことであった。
ガーゼが足りない気もするので、次回診察の時に購入をお願いしなければならないと思っている。

万が一、浸み出しが多量に出たときは、、、

入院中の医師と看護師、そして私自身の医療従事者としての見識からも、万が一創部が感染を起こし、それが増悪した場合に見られる所見は概ね同じ見解であった。
したがって、退院後に下記のような症状が出た時は、早めに病院を受診することをお勧めする。

  • これまで見たことのないような多量の滲出液で、ガーゼがびしょびしょになる
  • 明らかな熱発が起こる

この2点は創部の感染が全身に広がっているか、広がりつつある状態であると思われる。
このことから、術後はコロナ渦であろうとなかろうと、最低限朝と夕方(仕事中でも)に検温をすることを強くお勧めする。

創部の痛みと腰椎麻酔の副作用における自覚的な時間経過

創部の痛み

  • 術直後は麻酔の影響でほとんど痛くない
  • 手術の翌日から肛門周囲にメラメラと痛みを感じ始める
  • 術後2日目ほどから痛みの場所が徐々に創部周囲に局在し始め、トイレの時やウォシュレットと時に強い痛みを感じるようになる
  • 個人的には術後4日目が痛みのピークを迎える
  • 退院時には安静時痛みはほとんど感じなかったが、排便時の痛みは相変わらず感じる
    ウォシュレットの時も同様

腰椎麻酔の副作用

  • 手術直後から翌日まではほとんど何も感じなかった
  • 術後2日目から微かに目の裏の重さや耳鳴りの様な症状を薄ら自覚する
  • 術後3日目には症状が顕在化し、体を動かすことが億劫になり、病棟の生活も制限しなければならなくなる
  • 術後4日目頃に症状がピークを迎える。体を動かす予定に合わせて、大部分の時間をベッド上で過ごした
  • その後は退院時にかけて徐々に症状が軽快し、退院日には1時間以上立っていても症状を感じなくなった

手術を受けての感想

病院の方々への感謝

手術を受ける前は、いろいろなことをインターネットで検索したために、不安が募るばかりであった。
しかし、実際に入院し、手術を受けてみて、医師や看護師、技師さんの方々のおかげで、自分は体のケアに集中することができ、安心して退院を迎えることができた。

本当に、感謝感謝である。

腰椎麻酔の副作用に対する対応と注意

腰椎麻酔の副作用については、術後に看護師から体を無理に起こすと出やすいと聞いていたし、術後後から遅れて出現するから、動けていても無理はしない方が良いと聞かされていた。

腰椎麻酔の副作用が出やすいか否かについては、いくつかの特徴があるようだ。
現に、同じ病室の方やお風呂でお話しした方はその様な症状はほとんど自覚しないということだった。

気をつけていても万が一症状が出た方は、1日の行動する時間に合わせて、事前に横になれるように用を済ませると良いと思う。
看護師には必ず症状についてお伝えし、あまりにも症状がしんどい時は食事をお部屋まで配膳していただく様にお願いしてみたり、体を動かす予定の間に横になる時間を取らせていただくなど、色々と相談をすると良いかもしれない。
大切なのは、自分の判断だけで行動しないことだ。

入院中、手術を受けた方々とお話をして感じたこと

手術も、原因となった病気もみな様々だった。
中には仕事のために10年以上、外来の診察をしながら様子を見ていた方もいた。

術後の痛みもいろいろな強さがあるようだったが、概ね皆さんが口にしていたことは、「早めに手術をすればもう少し症状が楽だったのかもしれないな」ということだった。

診断をうけてから手術まで半年ほどであった私、術中に医師から痔瘻程度だからそこまで痛くないよ。
とも言われた。
それだけ、我慢せずに早期に適切な治療を受ければ、それだけ術後の症状が軽度で済むこともあるのかもしれないなと感じた
※あくまで個人的な感想です

みんな、共通の悩みを持っていて、一緒に頑張りましょう!って、言ってくれて
退院時には「頑張ってください」とも声をかけてくれて
みんなで励まし合えば辛いことも乗り切れるんじゃないかという気持ちになれた

これもひとつ、大切な経験だった。

おわりに

人生初めての手術と入院。
不安ばかりであったが、結論としては早めに手術を受けて良かったと思っています。
手術を受けようか悩んでいる方々への一助になれば幸いです。

まだ少し腰椎麻酔の副作用の影響は残っているのかもしれませんが、それも退院日にはだいぶ落ち着き、生活に支障がないほどに回復しています。

手術を乗り切り、元気に暮らしましょう!

それではまたっ!

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